転職クエスチョン

初転職でキャリアチェンジを実現したノウハウを公開してます。現在は転職エージェントに勤めており、転職活動やキャリアのリアルな情報をお伝えします。

【2020年8月版】新型コロナウィルスを受けた最新の転職市場と傾向は?

新型コロナウィルスの影響で、転職市場、企業の採用活動に大きな影響を与えていることは皆さんご存知かと思いますが、具体的に何にどのような影響を与えているのかが、いまいちよくわからない方もいらっしゃるかと思います。

 

そんな方のために、新型コロナウィルスが転職市場に与えた影響についてまとめます。

今後、同じような危機が発生した際に備えた備忘録として残したいと思います。

 

私の転職体験談を公開しています。

是非ともご覧ください。

 

tenshoku-question.hatenablog.com

 

こちらは私がおすすめする転職サイトと転職エージェントです。

tenshoku-question.hatenablog.com

 

 

求人、求職者、失業者数の動向

求人数、求職者数は厚生労働省、失業者数の動向は総務省から発表されています。

転職市場の大きな流れを把握したい時は、これらの指標を用いることが一般的です。

※約1ヶ月遅れで動向が発表されます

f:id:ten-que:20200802162313p:plain

                            出典:厚生労働省

有効求人倍率

2020年6月の有効求人倍率は1.11倍で前月に比べて0.09ポイント低下、約5年8ヶ月ぶりの低水準です。2019年からダウントレンドでしたが、2019年12月を過ぎたところからトレンドが強くなりました。

その後、新型コロナウィルスの影響で下落トレンドは強くなっています。

有効求人倍率は、転職市場をはかる最もメジャーな指標で、求人数と求職者数から算出されます。

しかしながら、新型コロナウィルスで転職活動を控えている方も多く有効求人倍率だけでは転職市場の動向を読みにくいので、より詳細なデータを見にいきます。

 

有効求人数

2020年6月の有効求人数は1,929,801人で、5月の1,938,331 人に対して約1万人分の求人が減少、前年同月比で約28%減少しています。

4月から5月の求人数の下落率は8.6%に対して、5月から6月は1.9%でしたので、求人数の下落トレンドは弱まりました。

しかし、前年同月比では約28%の減少ですので、社会に出ている有効な求人数は前年比で依然として減少していることがわかります。

 

2019年12月を過ぎたあたりから徐々に減少し始めていますが、新型コロナウィルスが問題視された時期と重なると行った見方がある一方、2019年末頃から大手製造業の採用が低調になり始めたことが要因との見方もあります。

 

有効求職者数

2020年6月の求職者数は1,835,032人、5月の1,761,499 人に対して、約7万人増加し、季節調整ベースでも約5.4%増加してます。

前年同月比でも3.5%増加しているので、求職者は増えていることがわかります。

2020年2月をピークにダウントレンドでしたが、ここで求職者数が増加してます。

6月は新型コロナウィルスの影響が若干おさまったことから、転職活動を始める求職者が増えたものと推測します。

 

完全失業者数

完全失業者は約195万人で前年同月より33万人の増加、直近では5ヶ月連続で増加してます。

完全失業者が増加トレンドにあることがわかります。

完全失業者33万人のうち19万人は勤め先や事業の都合による離職だったとのことで、依然として厳しい雇用環境が続いています。

宿泊業、飲食業、娯楽業などで就業者の減少が目立っています。

また、非正規社員を中心に雇用を減らす動きが続いています。

 

 

選考手段と選考の傾向

選考手段でWEB面接を取り入れる企業の増加

移動することや対面の接点を減らすことが企業、求職者にメリットがあるため、WEB面接を取り入れる企業が一気に増えました。

求人票の中にも「WEB面接可」と明記されている求人も多くなり、求職者もWEB面接が可能な求人を選びやすくなりました。

一方で、対面でないと選考の判断ができないと考える企業は、対面での面接を希望してます。

求職者が対面での面接を希望しない場合は面接が組まれること無く、選考が進んだ他の方の採用をもって求人クローズ、お見送りとなる状況も多く見られます。

「この時期に対面面接に行くことなんかできるわけない」と言う求職者も多いですが、企業にも採用の自由があることから、選考手段でミスマッチ、なんてことが起こります。

 

未経験者募集の求人は選考基準がより厳しい傾向に

転職市場の求人は、経験者募集と未経験者募集に大別されますが、未経験者募集の求人への選考ハードルが一気に高くなりました。

景気や業績が悪化すると人材育成する余裕が企業には無くなるので、未経験者の採用を抑制する傾向があり、今回も同様です。

それでも未経験者を募集する企業もありますが、そこに求職者が集中して応募するため、ライバルが増えた結果、ハードルが上がることも要因です。

この時期の未経験募集求人は「いい人がいれば」ぐらいの気持ちで企業が出していることもあります。

したがって、エージェントの視点からすると滅多に書類選考が通らない求人も、少なくはありません。

一方で経験者採用の求人は影響がないとは言えませんが採用活動は引き続き活発です。

売り手市場と呼ばれていましたがいまだに人材不足の課題を持つ企業も多い現状が浮き彫りとなりました。

 

採用活動に活発な企業

ネガティブな情報が主となりましたが、採用活動に活発的な企業や業界も多くあります。

・採用ハードルが上がったからこそ転職市場に良い人材を獲得できると考える企業

・新型コロナウィルスの流行以前から常に人材不足の職種や業界(接客職やサービス、小売系企業)

・新型コロナウィルス流行がきっかけで需要が高まったプロダクトやサービスを提供する企業(IT,WEB系企業等)

・生活必需品を扱う企業(食品、製薬、小売業界等)

 

新型コロナウィルスの影響で業績が悪化した企業

帝国データバンク社が「新型コロナウィルス関連倒産」として全国で245件(2020年6月12日現在)あると発表しています。(出典:帝国データバンク

 

国内ではダーバンなどのブランドを展開しているアパレル大手のレナウン社が東京地裁より民事再生の手続き開始の適用を受けたと発表しています。

また、オーストラリアで第2位の航空会社、ヴァージン・オーストラリアが経営破綻してます。

 

有名な大手企業でも取り巻く環境が劇的に変化した結果、業績に打撃を受けることがあります。

新型コロナとは関係がありませんが、安定と言われていた国内の大手メーカーが人員削減したり早期退職を募ったりしており、大手企業だから安心、と言う考え方は絶対ではありません。

転職先、就職先は最悪のケースを想定して選ぶことが重要です。

 

 

とは言っても、自分だけでは何をして良いのかわからないことも多いと思います。

何をしたらいいか、何をしたいかがわからない場合の記事を書いてますので、こちらも参考にしてみてください。

tenshoku-question.hatenablog.com